●出産その2

まあ、あれだ
陣痛は痛い
だが対策は練ってきた
痛みを中和するゴルフボール!
喉を癒すお茶!
リラックスのためにCDプレイヤーまでわざわざ買った
しかし、出産の本には「陣痛は最初は10分間隔くらいです」とあったのに
すでに陣痛は4分間隔で襲ってきていた
そして恐ろしいぐらいの尿意
点滴(静脈確保)を持ってうろうろと痛みに耐えながらトイレに行くが出ない
そしてまた尿意
腰の上で猛獣たちのダンスパーティーがはじまったようだ
痛い まじ痛い 激痛 (時々意識が薄れる)

ヘタレ人間なりに決意していたことがある
「痛い」と口に出して言わないこと(心で浮かぶ分は仕方なし)
とにかく息を吐くことに専念した
母が側で不安そうに見ている
「旦那は・・?」
「それが・・・寝ていたらしくって 『どうしましょう・・・』と言われちゃった
○○さん(旦那の名前)のことだから(注:イメージはマイホームジェントルダディ)
「すぐに行きます!」と叫ぶかと期待してたんだけど・・・」
助産士さんが「旦那さんに連絡してもいいよ 今の時間なら携帯もOK」と薦めてくださったので
直接架けた
「もしもし・・・」
「いよいよだよ!」
「・・・(寝ぼけ声)・・・どうしよう・・・」
(どうしよう・・・って 頭が混乱して具体的な考えがこっちも浮かばないのだが)
「・・・あ!また陣痛来たあああああ うぅ・・・」
「何時に出産予定?」
「う・・ぅ・・昼12時くらいだって・・ううう・・ぐふっ」
「じゃあ、もう一眠りしてシャワー浴びてから行くねー」(究極のマイペース)
「え?」ガチャ
頼りにならん!ええい 我が子よ 母といっしょにがんばるのみだ

しばらく陣痛と尿意に翻弄されていると、突如助産士さんが血相を変えて飛び込んできた
「大丈夫?!」
「はいいつも通りです・・・」(どうしたんだろう?)
どうやら赤ちゃんの心拍が一時急激に下がったらしい
「陣痛はどうですか」
「2・・・2分ぐらいですかね」
「え・・もうそんなに・・・」
子宮口7cm
「また尿意が・・まるで権化オブ尿意・・・」くだらない一言は忘れない いつ何時も
「頻繁過ぎますね・・で尿は」
「それが全く出ません」
「・・・もしかしたら赤ちゃんが押しているからかしら」
もう一度子宮口を確かめる
「あ、全開していますね 分娩に入ります」
陣痛台が超合金ロボットのようにあっという間に分娩台に
さすがだLDR